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乗り物好きの大型二種免許ペーパードライバがお送りする、乗車記、搭乗記です。ローカルな乗り物から世界のファーストクラスまで。

高雄ライトレール試乗記 架線無しの電車 バッテリートラム

台湾の高雄を訪れたのは、こちらの高雄ライトレールに試乗するため。

高雄ライトレールは、総延長22kmの環状路線のライトレールです。特徴は駅間に架線が無く、車両に搭載したバッテリーで走行することです。

2016年の2月に訪れた際は、籬仔内-凱旋中華間2.2kmでプレ営業中でした。プレ営業中は運賃無料と太っ腹です。

地下鉄との接続がある、前鎮之星駅から籬仔内駅まで乗車しました。どんな乗り心地だったのでしょうか。

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 前鎮之星駅は神社のような朱色の独特のデザインの駅です。軌道は緑化されており、騒音低減と景観配慮がなされています。

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プレ営業中は無料でしたが、本格営業時はICカードのみ対応になるそうです。

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見にくいですが、ホームの中央のみに架線があります。電車は駅停車中のみ充電するというシステムです。

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お金がかかっていそうなペデストリアンデッキがあります。もともと道幅が広い道だったのでしょうか。

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電車が入線してきました。駅の係員さんの話によると、スペイン製の車両ということでした。この係員さん、とても親切で、日本からこれに乗りにきたと伝えると、大変歓迎して頂き、記念写真まで撮ってくれました。誇りなのでしょうね。

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5連接車体です。

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パンタグラフが上がって、充電します。短時間ですごいですね。この時は30秒ほど停車していましたが、今後本格営業時はどの程度の秒数止まるのでしょうか。

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白を基調にした清潔感ある車内でした。

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緑色は優先席です。車内にもICカードリーダーがありました。

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扉は自分でボタンで開けられます。半自動ドアですね。車内は禁煙、飲食禁止です。

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台湾にも鉄道ファンがいて安心しました(笑)全面が見通せてスッキリしていますね。

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窓も大きくて素敵なデザインです。はやり窓は大事で、街の移り変わりをぼんやりと眺めることができるのも公共交通ならではです。自分で運転しながらではなかなか見られませんからね。

乗り心地は通常のライトレール車両と変わらず、至ってスムーズです。バッテリーで動いていることは乗り心地とは関係ないですね。

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車椅子スペースも完備です。

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車体のドアにはかわいいお嬢さんが車内かホームでカードリーダーに通すように教えてくれていました。隣の変なキャラは高雄市長のキャラだそうで、ボタンを押してドアを開けろと言っているんだと思います。

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側面にLED行先表示が備えられています。

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当時の終点、籬仔内駅に到着しました。

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環状運転予定なので、この先も将来はつながるのだと思います。

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どうも伊豆急、東急とは仲がいいようです。こんなところで黒船電車を見るとは思いませんでした。

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高雄市長、出たがりですね(笑)ちなみに女性市長です。

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駅の作りは余裕があります。日本の路面電車のように、車道すれすれということは無いようです。

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木もたくさん植えられていて、かなり緑化されています。元々は道路だったのでしょうか?買収したのかな?

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行きは電車に乗りましたが、帰りはてくてくと歩いて前鎮之星駅まで戻りました。

地下鉄凱旋駅で見かけた乗車マナーを呼びかけるポスター、二次元大好きですね。「ゴゴゴゴ」とあるので、日本人が描いたのでしょうか?

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地下鉄には自転車も持ち込めるのですね。

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日本でも宇都宮で新しいライトレールを建設するという動きがありますが、台湾でも一足先に建設が進んで、一部では開業しています。

地下鉄と違って、階段の上り下りなく乗れるという点や、建設費が地下鉄に比べて安い(特に高雄は架線レスなので初期投資を抑えているのでしょう)、街のイメージ向上など、ライトレールはヨーロッパを中心に見直されています。

その動きがアジアにもきたという感じです。

必ずしもライトレールが万能というわけではなく、都市の規模によっては既存のバスの再編や、バス専用レーンや鉄道のような運賃収受システムなどを備えたBRT(バス高速輸送システム)も選択肢に挙がるでしょう。

今後、自動運転技術の開発が進み、Uberのような配車サービスが自家用車移動に代わり、移動手段の中心となる可能性がありますが、やはり都市の中ではある程度の規模を一度に運ぶ大量輸送機関は必要でしょうから、数十万~数百万都市のインフラを考える上で、ライトレールは重要な手段のひとつとなるのではないかと思いました。