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乗り物好きの大型二種免許ペーパードライバがお送りする、乗車記、搭乗記です。ローカルな乗り物から世界のファーストクラスまで。

おれんじ食堂乗車記 スイーツ編

肥薩おれんじ鉄道のおれんじ食堂という観光列車をご存知でしょうか?

今でこそ列車内で本格的な食事を提供する観光列車は多く存在しますが、その草分け的存在として2013年春に熊本の新八代と鹿児島の川内(せんだい)間でデビューしました。

www.hs-orange.com

2両編成の気動車で、既存のHSOR-100形を改造し、水戸岡鋭治氏がデザインしたモダンな車両を使用しています。

肥薩おれんじ鉄道は、九州新幹線の鹿児島ルートの新八代鹿児島中央間の開業時に並行在来線JR九州から切り離されて生まれた鹿児島県と熊本県の両県にまたがる第三セクター鉄道です。

おれんじ食堂は、「”食”を通じて沿線の魅力を知ってもらう」をコンセプトに、おれんじ鉄道線沿線の豊かな食材と選りすぐりの料理人の調理により生まれたオリジナルのフルコースを車内で提供し、普通列車より時間をかけて、ゆっくりと味わう観光列車です。

少し前になりますが、乗車してきました。

果たしてどんな旅になったのでしょうか。

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 乗車したのは新八代から川内まで、スイーツとディナーが楽しめるコースです。

九州新幹線と在来線が交わる駅、新八代駅 から乗車します。新八代~八代間はJR九州に乗り入れています。

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車体は濃紺で、ロゴや社名、地名、列車名が金色の文字で散りばめられています。軽快気動車ですが、軽快さというよりは落ち着いたどっしりとした印象を受けます。やはりレストランですからね、しかもカジュアルではなくかなりしっかりとした料理が提供されるレストランです。

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熊本~鹿児島を横に倒した形(左側が北)の路線図です。八代海を望む、風光明媚な路線です。在来線特急つばめ時代は、八代から先の景色が楽しみでした。今は新幹線から一瞬海が見えるくらいでほとんどトンネルです。

だからこそ、おれんじ食堂で景色を楽しみながらの食事に価値があるのです。

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車内を見てみます。2号車は半個室タイプのシートです。海側を向いているので、無理なく景色が楽しめます。

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個室に入るとこんな感じです。荷物棚も用意されています。

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レースカーテンで優しく仕切られています。

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2号車には向かい合わせの席もあります。実は食事なしでも座席指定券1400円を支払えば乗車することができます。主に乗車のみの方がこちらに座られていました。

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 乗車のみの方でもお水はサービスのようです。 (今は異なるかもしれません)

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化粧室は2号車に大型のものが用意されています。沿線の工芸品などが飾られています。

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続いて1号車。1号車にはカウンターがあり、配膳作業やドリンクを作っています。

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沿線を中心とした焼酎のラインナップです。車内で支払って飲むことができます。

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1号車は開放的な作りです。旅行商品利用の団体の方はこちらになることが多いようです。

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おしゃれな薩摩切子のグラスが展示されています。

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ロゴデザインもかっこいいですね。

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車両は3セクおなじみ新潟トランシス製です。2013年に改造して誕生しました。

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2両固定運用で普段は使用しない側の運転席横のスペースも無駄にしません。コーヒーメーカーが置かれています。クッキーは自由に食べられます。

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水戸岡氏らしい絵です。

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次駅案内はアナログです。

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さて、メニューです。前半のスイーツを今回はご紹介します。それにしても豪華なフルコースですね。4時間でこれだけ食べるためには、普段から胃袋を鍛えておかねば難しいでしょう(笑)

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停車駅ごとに駅員さんたちがお見送りしてくれます。嬉しい演出ですね。

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サービスはおしぼりから始まります。

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続いてみかんジュース。しぼりたて感のある、とってもおいしいジュースです。

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お土産でもらえるジュースと同じだったと思います。(記憶違いかも)

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 1品目、はちべえトマトのレアチーズケーキ トマトソースとミニトマトを添えて です。はちべえとは八平と書き、八代平野を略した名前なのだそうです。

つまりトマトの名産地八代産のトマトを使ったレアチーズケーキです。しょっぱなから野菜スイーツとは、レベルが高いですね。ロゴがのっています。

www.hatibee.com

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 ちなみに、カウンターではこんな感じで配膳されています。各駅で料理を積み込んで、車内で一部を盛り付けたり仕上げをして提供している様です。 

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 続いて 苺の生クリーム大福と苺のムース 苺添え です。

ちょうど苺の季節だったのでおいしく頂けました。大福ふわふわでした。

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 八代海が一望できます。先に見える島は天草下島です。景色を眺めながらの食事はなんとも優雅です。

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スイーツコースの最後は季節のフルーツチョコレートフォンデュです。飲み物はコーヒーやハーブティーなど選べますが、何と抹茶も頂けます。 

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 お口直しに、芦北産しらす昆布、バジルチーズディップ、八代産ドライトマトが提供されました。甘いものばかりだったので、ここらで塩気を少々といったところです。この後に続くディナーに向けて一休みですね。

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 いかがだったでしょうか。

かなり本格的なスイーツ、しかも沿線にまつわる素材を使用したスイーツを車内で景色を眺めながら頂く贅沢、最高です。

お値段もそれなりにしますが、高品質の料理を高品質のサービスで提供すれば、お客さんも納得、満足だと思います。

全国に同じようなコンセプトのライバルが増えましたが、「老舗」として、沿線とのコラボレーションだけでなく、沿線×地域外とのコラボレーションなど、新たな企画にもチャレンジしていってほしいなと感じています。

ディナー編も近日アップ予定です。