筑肥線 305系電車乗車記 床がフローリングの通勤電車! 新しい福岡市営地下鉄乗り入れ車両
福岡空港は都心アクセスでは超便利な部類に入る空港です。都心アクセスの主役はやはり福岡市営地下鉄空港線です。福岡空港と博多、中洲川端、天神、西新、姪浜と福岡市の主要地区を結び、横軸的存在です。そんな、福岡市営地下鉄空港線は姪浜から先はJR九州筑肥線と相互乗り入れしています。どこまで行っているかというと、福岡のお隣佐賀県は唐津です。
地下鉄線内も地上のJR筑肥線も走れる電車として2015年にデビューしました。外観は真っ白な車体に真っ黒な前面が特徴です。モノトーンの世界です。(笑)
日立製作所のA-trainシリーズで、アルミニウム製のつるつるの車体で大きな側窓が特徴です。
ちなみに走行システムとして特徴的なのは、モーターがPMSMと呼ばれる永久磁石同期電動機をJRの電車として初めて導入したという点です。かなりの省エネ電車です。
発車の起動音が特徴的で、遠くにいてもすぐに305系と分かります(笑)
車内は水戸岡鋭治氏によるもので、唐津寄りの1号車のみ床がフローリングです。
それにしてもシンプルすぎる顔ですね。
ちなみにこれまでは、地下鉄直通運転を開始した1983年に導入された103系が活躍していましたが、故障が多発して福岡市営地下鉄から追放されたこと、福岡市営地下鉄内で自動運転ができなことからワンマン運転ができず、効率が悪いことから305系が製造されました。こちらが地下鉄から追い出された103系電車です。ちなみに筑前前原駅より西では3両編成でまだ走っています。パンダみたいな顔です。
さて305系の車内を見てみます。ここだけ見たら通勤電車とは思えないですね。何かおしゃれな家具かなと思うのですが、これは通勤電車のシートです。家具だとすごくおしゃれでいいのですが、電車のシートとなると評価は微妙です。背中が板張りで固く滑るので、福岡空港から唐津までの1時間20分の旅は正直きついと思います。
1号車の床だけフローリングです。地下鉄でフローリングの通勤電車なんて前代未聞では⁉
続いて2号車以降です。シートは変わらずですが、床は通常の敷物です。真っ白な壁に木の椅子はカフェとかならおしゃれなんですけどね……。
でも何の変哲もない車両よりは面白みのあるデザインではあるので、趣味で乗る分には楽しいです。
ちなみにDENCHAと似てますよね。というか305系の方が先に登場しているので、DENCHAの方が後発です。
ちなみに床の敷物の柄はなんとQRコードです(笑)斬新すぎです。
そしてドアにはあそぼーい!のキャラ、あそくろえもんさんが。大活躍です。
一応犬です。
柄が色々あって楽しいです。小さい子どもの目線にあるので、楽しいと思います。通勤電車でも子どもの心をつかむ工夫がされているのは素晴らしいです。
水戸岡氏は最近はめっきりビビットな原色を使うことは無くなってきたのですが、このトイレにはびっくりしました!落ち着かないトイレです(笑)
地下鉄なのにトイレがあるのは結構珍しいと思いますよ。それだけ長い区間を走るということです。
JR線内は車掌が乗務します。305系からスマートドアと呼ばれる半自動ドアが採用されました。
途中は玄界灘がきれいに見えます。せっかくの大窓ですが、シートがぴょんぴょんと出ています。細かいことは気にしないのです。
運転席側の全面窓はとても大きく、視界が広そうです。
唐津に到着です。実は筑肥線はここからさらに西に伊万里まで続くのですが、電化区間はここまで、こちらからは1両編成の気動車での運行です。唐津での格差が激しい路線です。
305系いかがだったでしょうか?
福岡から唐津まで乗り通すのはつらい車両なのですが、短時間乗る分には楽しい車両です。個人的には福岡から唐津までは昭和バスのからつ号の方が安くて早くて快適で本数も電車と同じくらいあっておすすめです。
地下鉄線内のラッシュ時間帯のことを考えるとロングシートという選択肢しかなかったのかもしれませんが、せっかく1号車をフローリングにしてプチ観光気分を味わえるように配慮したのなら、近鉄や東武のようにデュアルシートにして、進行方向向きにもロングシートにも両方対応できるシートを導入してもらえたら良かったなと思います。
何だかんだ言いましたが、通勤電車としては楽しいデザインの車両であることは間違いないので、せっかく福岡空港から都心に行くなら、JR九州車を選ぶと九州らしい移動ができると思いますよ。(唐津方面行きを選べばほぼ確実に305系です。一部303系あり。)