福岡ー鹿児島 夜行高速バス 桜島号乗車記 2017年7月
九州自動車道の延伸によって、1990年に運行を開始した桜島号。
現在は福岡側と鹿児島側合わせて5社による共同運行により、福岡－鹿児島間を24往復しています。
その中で、夜行便は遅くまで現地に滞在でき、翌早朝から活動できるとあって、人気の便です。（乗車した便は1週間ほど前から空席少となり、前日には満席の予約状況でした）
土曜日の鹿児島行きの便、乗り心地はどうだったのでしょうか。
西鉄天神高速バスターミナルの6番乗り場から、23時40分発です。
この時間帯に鹿児島方面に移動できる唯一の公共交通手段です。
九州新幹線開業以前は、特急ドリームつばめがありましたが、現在は最終の特急は熊本県の長洲までです。
以前は西鉄天神バスセンターでしたが、2015年にリニューアルが完了し、名称も国際標準のバスターミナルに変更されました。モダンなデザインで個人的には好きですが、案内放送が聞き取りづらい合成音声になったのが残念な点です。
10分ほど前に入線してきました。
今夜はJR九州バス担当です。
車両は鹿児島ドリーム広島号用に導入されたスーパーハイデッカーのエアロクイーンです。床が高いので静粛性に優れています。
車内は独立３列がけの標準的な夜行高速バスの座席配置です。中央にトイレがあります。 フェイスカーテンはありませんでした。コンセントは装備しています。使い捨てのスリッパを各座席に準備してありました。当然ブランケットもあります。
よく見ると、初期の787系のシートの柄と同じ柄のカーテンですね。JR九州グループらしさを感じます。落ち着いたトーンです。
座席ポケットには案内のしおりとJR九州の特急車内で読めるPleaseがありました。
天神を出て、博多バスターミナル、筑紫野、基山、久留米インターまで乗客停車をして、そこから消灯し夜行運行となりました。
久留米到着は0時半を過ぎています。運転士さんの肉声による詳細な案内放送は久留米インターにて行われるため、福岡で乗ってすぐに寝たい方にとってはやや迷惑かもしれません。
開放休憩は無く、翌朝の鹿児島空港南バス停到着5分前に照明が点灯します。
ちなみに、ワンマン運行ですが、途中のサービスエリアで運転士さんの仮眠のため長時間停車します。不確かですが、おそらく鹿児島空港手前の溝辺PAで仮眠をとっていたのではないかと思います。
今回乗車した土曜の夜の鹿児島行きは満席でしたが、3列独立シートなので隣席と接していないこともあって、そこまで窮屈感はありませんでした。
気になる点を挙げるならば、西鉄が過去（30年近く前でしょうか）に杉本工業と開発した夜行高速バス用のスリーピングシートと比較すると、このシートは前の座席下の足を入れる空間が狭い気がする、ということです。（身長173cmの意見）
エアロクイーンは乗り心地が良く、運転士さんの技量のおかげもあり、不快な思いをすることなく眠れました。
ただ、昼行便で約4時間半程度の路線を無理やり夜行便に仕立てていることもあって、睡眠時間は短めになります。宿代わりに利用する場合は、翌日は睡魔との闘いを覚悟しなければいけません。
まさにレッドアイフライトならぬレッドアイバスです(笑)
ともあれ、九州旅行で時間を効率的に使いたい方、九州のバス乗り放題の「SUNQパス」を使って低廉に九州旅行を楽しみたい方など、九州島内の夜行高速バスの活用を検討されてはいかがでしょうか。
