熊本と神戸・大阪・京都を結ぶ 快適装備の夜行高速バス サンライズ号 九州産交便 乗車記 休憩は?コンセントは?
熊本と関西方面を結ぶ夜行高速バス サンライズ号の乗車記をお届けします。
「サンライズ」というと、鉄道好きな方であれば、サンライズエクスプレスの方を連想されると思いますが、こちらのサンライズ号の方が先輩です(笑)
ちなみにサンライズエクスプレスの乗車記は↓
夜行高速バスブームの先駆け、1988年に九州産交バスと近鉄バスとで運行を開始しています。
九州と関西を結ぶ夜行高速バスとしては、福岡~大阪間のムーンライト号に次いで2番目でした。
そんな夜行高速バス サンライズ号、今回関空からの午前中発便に搭乗するために乗車しましたが、どんな乗り心地だったのでしょうか?
今回は熊本交通センターから乗車しました。
交通センターは再開発中につき、仮バスターミナル発着となっています。
サンライズ号は電車通り沿いの25番乗り場からの発車です。
21時ちょうど発ですが、5分ほど前には乗り場に到着しました。
今宵の車両は、2009年式日野セレガのハイデッカー車です。
ちなみに、現在九州産交の高速バスは全てこの塗装ですが、実はサンライズ号の専用塗装だったデザインがいつの間にか高速バス共通塗装になってしまったものです。
なので九州産交の高速バスの塗装を(マニアでは)「サンライズ色」と呼ぶことがあります。
車内は夜行高速バスとして標準的な3列独立タイプの28名乗りです。
飛行機であればプレエコ相当の座席と言うと伝わるでしょうか。ただし、リクライニングの角度は飛行機よりかなり大きめです。
2009年式の車両なので、以前はコンセントが無かったのですが、後付け改造されています。スマホの充電に困ることはありません。
今回かなり気に入ったのがひざ掛けが毛布ではなくコンフォータータイプだということです。
JALの中距離ビジネスクラスの毛布よりこちらのコンフォーターの方が数倍いいです(笑)
軽くて暖かく、清潔感があります。
他社では座席に枕が固定されているタイプもありますが、この車両は付いていません。その代わり、エアー枕がサービスされます。(産交便のみ)太っ腹ですね。
また、蒸気でアイマスクもサービスされます。(こちらも産交便のみ)
シートピッチはこれまたプレエコ相当ですが、土足厳禁で足を前の座席の下に突っ込める空間(フットレスト)が用意されています。使い捨てスリッパもサービスされるので、裸足は気になるという方はスリッパをはくといいと思います。
レッグレストと合わせると、足はかなり楽ですね。私の長い足でも収まりました(笑)
車内はWi-Fiが飛んでいます。
ただし、auWi-FiとWi2 300のみです。バックボーン回線は恐らくWiMAXと思われます。今回は使用していません。
なお、産交バスは通常の路線バスにも同様のWi-Fiサービスが展開されています。
バスは熊本交通センターを出るとすぐに熊本市内随一の繁華街、通町筋(サンライズ号は通町筋バス停では乗車できません)を抜け、熊本インターから九州自動車道へ入ります。
23時過ぎにお休み前のトイレ休憩があります。なお、開放休憩はこちらの1回のみです。
関門海峡を渡る前の吉志(きし)パーキングエリアで10分程度の休憩です。
モテナスにリニューアルされていますが、23時過ぎでは自販機とトイレと喫煙所の機能しかありません。
何かお腹に入れようと思っても飲み物しか買えませんのでご注意ください。
お隣には大分から神戸・大阪・京都行SORIN号が同じく休憩に入ってきました。本日は亀の井バス運行です。
トラックの休憩が多かったですね。
パーキングエリアの駐車場でボヤっとしているとクルマに跳ねられてしまうこともありますので、寝ぼけ眼での横断は気を付けましょう。
こちらがセレガの運転台です。運行表が写っていますがかなりシンプルな運行表なんですね。途中のインターとかの通過時刻が細かく書いてあるわけでは無いみたいです。
そして吉志パーキングを過ぎると消灯となります。
フェイスカーテンはそれぞれの席に用意されています。(通路側の席のみ)
自分でカーテンを引くようになっていました。
消灯後は後ろの席に一言お断りして深くリクライニングを倒します。(フルリクライニングだと後ろの人が足が抜けなくなるくらい倒れるので、3/4くらい倒すのが良いでしょう)
少々早着して、朝の6時前には三宮ミント神戸、そしてなんばOCATには7時過ぎに到着しました。
コンフォーターやエアー枕、使い捨てスリッパに蒸気アイマスクと乗客に快適に過ごしてもらおうという姿勢が伝わります。
また、除菌ミストを出す加湿器も装備されているそうで、効果のほどは不明ですがイメージはいいですね。
運転も穏やかで安心感がありました。
車両自体は標準的な夜行高速バスの仕様で、座席も汎用的な夜行高速バス仕様のため、ハード面の特徴は特にありませんが、付随するサービスで細やかに工夫されていると感じました。
九州産交(と近鉄バス)では、横独立3列掛けのサンライズ号と、横4列の格安便のあそ☆くま号も運行されていて、熊本~関西間の移動の選択肢は2種類用意されています。
この他ツアーバス上がりのロイヤルエクスプレスが多客期のみ熊本発の大阪行きを運行しています。
やはりおすすめは毎日確実に運行される3列シートでゆったりのサンライズ号です。
大阪で翌日午前中に用事があるけど、仕事で熊本に夜まで拘束されるので熊本駅に行って新幹線に乗るのは間に合わない、でも早朝の新幹線でも間に合わない、などの時に夜行移動のありがたみが分かります。
これからも長く運行されてほしい路線です。