ウィラーがエアロキングを改造して、動くレストラン、レストランバスを作ってしまいました。
移動×食のツアーというと、どうしても現地の食事処で、というイメージが強いのですが、レストランバスはそのイメージを打ち砕きます。
バスのコンセプトは、そこしかない日本を食べよう。
特徴は、食材の生産地、生産者のもとへ伺って、そのあとすぐにその食材を使った出来立ての料理を移動しながら頂けるとこにあります。
今回は、熊本は南阿蘇で、世界農業遺産 阿蘇の農産物を味わうツアーに参加しました。どんな旅になったのでしょうか。
種車はエアロキング 最期のモデルBKG-MU66JS。ウィラーで高速バスとして運行していた車両が改造されています。
大がかりな改造なので、改造費やその後の試験諸々に結構な額がつぎ込まれているようです。
それでも2台目が改造されたところをみるに、好調のようですね。
ツアーは一般社団法人GIAHSライフ阿蘇が企画し、運行は九州産交バスが行います。
ウィラーは車両を貸し出している立場です。
なので、車両は九州産交バスの拠点地域である熊本ナンバーで登録されています。
赤で目立ちますね。遠目ではJR九州バスのエアロキングと間違えそうです。
さて、乗車します。客席は2階です。
何やら変わった形のテーブルを挟んでボックスシートタイプの配置です。そして、オープントップです。
揺れに備えて、グラスが固定できるように工夫されているテーブルなんですね。
メニューはこちらに。
ツアー料金は1ドリンク込、追加は都度現金払いで頂けました。
ドリンクの種類を見るに、どうやらキリンが絡んでいる様です。
車内はLED照明に改造されていました。
テーブル下にコンセントもあります。Wi-Fiがあったかは確認していません。
座席間には荷物入れが用意されています。この辺りは飲食店の様な気配りですね。
芝桜を見ながら乾杯です!この日は天気もよくて、南阿蘇の景色を見ながらの一杯は最高です!
国の支援を受けての復旧が決まった、現在一部運休中の南阿蘇鉄道の線路を越えます。
1階が厨房です。当たり前ですが天井が低いですね。 本格的な厨房です。
厨房用の電気は、別途発電機で発電します。トランクルームに収められていました。
鉄道の食堂車と違い、基本的に調理は停車中に行います。ツアー客が見学している間に調理して、見学を終えて出発する頃に料理が運ばれてくるイメージです。
さて、まずはやまめの見学です。
阿蘇の豊富な地下水で養殖されているとのことです。見学したのは販売所で、実際の養殖は少し離れた場所で行っているとのことでした。
高速バスの名残でしょうか。
天気が良くて本当にいい景色です。
改造で最高速度70km/hとなったようです。
一品目、ヤマメ塩焼きフリットが運ばれてきました。
素揚げされているので、丸ごとかぶりつけます。移動しながら食べる食事ってなんでこんなにおいしいんでしょうね。南阿蘇の絶景がスパイスがわりでさらにおいしく感じるんでしょうね。
続いてアスパラ農園に伺いました。春~秋まで収穫できるそうです。アスパラ畑ってこんな感じだったんですね。初めて知りました。
この表示は貸し切りバスそのものですね。
ここでルーフを開いて、オープントップになりました。日差しがまぶしいです!
アスパラのソテー、玉ねぎのリゾットと一緒に頂きます。
醤油のソースとアスパラが合う!ビールが進みます。そして玉ねぎのリゾットがとってもおいしいんです。醤油のソースがこちらもいいアクセントになってました。
続いて名水地へ。明神池というスポットです。南阿蘇といえば、白川水源が超有名ですが、実はこちらもとてもいい場所でした。水を飲んでみると、なんだか体が透き通るような気がします。気がするだけですけど(笑)
こんなショット、レストランバスじゃないとできません!(正確には「動きながら」がレストランバスだけですね。)
メインの登場です。阿蘇といえば阿蘇の赤牛。ハンバーグで頂きます。ポテトは、ジャガイモではなく、鶴の子芋という里芋です。こちらもおいしいんです。バーベキュー風味のソースに意外とネギが合うというのも発見です。
最後は高森町の中心部にある醤油蔵豊前屋本店と日本酒のれいざんで有名な山村酒造さんのお店に伺いました。
高森では快速たかもり号とのツーショットを収められました。快速たかもり号の阿蘇ジオパークラッピングも赤なので、レストランバスがもう1台来たのかと思ってしまいます。
さて、デザートです。アイスに醬油ベースの甘辛ソースをその場で仕上げにかけて頂きました。
最中でサンドして頂きます。最高においしいです。醤油スイーツってはじめてでしたけど、みたらし団子がまさにそうですよね。醤油ってスイーツに合うんですね。
大満足のツアーでした。これで10,800円でしたので、3時間バス旅も、できたての食事も、生産者との会話もできて、阿蘇の雄大な景色も楽しめてかなりお得でした。
2017年の6月でいったん熊本でのレストランバスの運行は終わるようですが、全国各地へそこしかない日本を食べにいきたくなりますね。
阿蘇だけでなく天草という海の幸も豊富な熊本で、再び催行されることを楽しみにしています。